アストロラーべ





時代の変化や進化速度の凄まじさをこんなにも痛いほど感じるのに

アストロラーべ的発明をされた頃のその人の方が遥かに真理を語っているのは何故だ



遠い遠い、すごく遠い昔、世界中の人々が新たな世界を求め苦難の大海原を行き交いました。
その厳しさは想像を絶する過酷で凄惨な航海だったであろうと思います。

見送る側、見送られる側。

少しでも航海を安全で正確に行うため試行錯誤し、考え抜いた末に考案されたものがアストロラーベの原型なのでしょう。
14世紀間の長きに渡り様々な手が加わり、変遷を経て、今では過去の物となりました。

アストロラーベを見ていると、それぞれの時代を航海した人の情熱・葛藤・辛酸・絶望・歓喜が心に浮かび、胸が熱くなります。

壮大なラビュリントスを駆け巡り今の世界を創り上げてきた人たちの、魂の忘れ形見なのです。



2017年7月




アストロラーベは古代の天文学者や占星術者が用いた天体観測用の機器で、
イスラムとヨーロッパの天文学では天宮図を作成するのに用いられる等、現代における星座早見盤の原型と言える物です。
太陽・月・惑星・恒星の位置測定および予測、経度と現地時刻の変換・測量・三角測量に使われました。

4世紀頃のアレクサンドリアには既に存在していたようで、8世紀頃イスラム世界に伝わり大きく発展しました。
そして12世紀頃に他の様々な天文学の知識と共にヨーロッパにもたらされ、15世紀後半には天文学関係の諸分野の研究も更に活発化して進化し、
18世紀に六分儀が発明されるまで航海における主要な測定機器でした。

製作年代が明確な最古のアストロラーベは西暦927〜928年の物です。



参考文献
・Wikipedia 「アストロラーベ」最終更新 2020/7/3 5:03
・天文学辞典(日本天文学会)「アストロラーベ」




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