雷電宮 -アソベのモリの物語-





照葉樹林のおもかげさえ見当あたらなかった

迷い込んだ雷電宮

いつの間に そんな名になったのか
容易に想像はつく


沈殿していた私の地熱は 這いずり回り
残骸ばかり探してた

見なければ観えない
観えなければ 無い


観念的世界と(形而上的と言ってもいいのかも知れない)
唯物的世界が 合体する瞬間を見たことがある?

ポンと 音をたてて顕れる
本物の大がかりな手品みたいなものかな


日隅の国の片隅に ひっそりと雷電宮

地の底から湧き立つモノが ちゃんと応えてくれたよ
完璧に物質化したものまでお土産にして


手品のタネが仕込まれてからの月日は 
どう見積もっても3千年は下らない

描いてる間
何を描いているのかを思い知らされた


それを手にした私の中で

あの末裔たちの

最初と最後のアララキがまた沈殿してゆく



2012年5月








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