レインボーの角
早朝、湯船の中で虹色の角が二本生えるのを見た。
日の出の瞬間、この季節のこの日にしか生えない角だろう。
亀甲模様に似た窓ガラスに映るエネルギーの角。
「おお・・吉兆にございます!これは・・・大君、亀甲の割れより七色の光が現れまするとは!」
亀トの席でことさらに武内が声をはずませた。
「やはり、息長のヒメを越から迎えよと、そうなのか宿禰。」
「御意。」
御簾の奥からの声に、笑みを殺し答える武内がいた。
白昼夢ならぬ・・早朝夢。
2009年3月
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