春の嵐に月に告ぐ -シズリヒメ-





天の波間にゆれるなら
重い碇でつないであげる

傷んだ視線が疼くなら
シドリのベールで包んであげる

それ以上 遠くに行かないように


ねえ 一蓮托生の凝固物



2012年3月




*シズリヒメ*

織姫の意味でもありタナバタツメであります。

シズリはシドリとも発音され、漢字にすれば「倭文」と書きます。
伯耆国一の宮の名前にもなっていて、馴染みの方もおられますでしょうか。
古代の神器としての鏡を包む絹織物のことをかつてはそう呼びました。


天照大神に象徴される女神は、神聖な機織り姫としてのお顔もあわせ持っていることが古事記等からもうかがえます。







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