緋と蒼の琥珀に
とどまる今と
過ぎ去る今を
閉じ込めた
あの朱雀も融け込んだまま
遠ければ遠い程 すぐ側にいて
近ければ近い程 霞がかかる
手負いの青竜は風に吹かれたまま
幻の都城に息を潜める
2012年8月
三輪山(みわやま)は奈良県桜井市にある標高467.1mの山で、三諸山(みもろやま)とも言われます。
西麓には「大物主大神」を祀る大和国一宮「大神神社」(おおみわじんじゃ)があり、
三輪山を神の鎮座する山(神奈備)とし山そのものをご神体としており、本殿がない形態となっています。
日出ずる方角に仰ぎ見る美しい円錐形の三輪山の姿は象徴的で神々しく、
天照大神を祀る太陽信仰において当に神奈備であります。
古代には「神坐日向神社」が三輪山の頂上に祀られていて、自然そのものを崇拝するという古神道の流れに属している事を示し、
かなり古くから太陽祭祀に深く関わっていたと共に、その美しい山容から人々の心の拠り所だったであろうと感じます。
このように古くから深く神聖視されているため山内の一木一葉に至るまで神宿るものとし、
山そのものが神体であるとの考えから神官や僧侶以外は足を踏み入れることはできませんでした。
現在は「入山者の心得」を遵守すれば誰でも入山できるようになっています。
三輪山中には祭祀遺跡の磐座が3か所あります。
・下方の「辺津磐座」(へついわくら)
・半ほどの「中津磐座」(なかついわくら)
・頂上付近の「奥津磐座」(おきついわくら)
(※現在山中で見学できるのは奥津磐座だけです)
三輪山の麓は古墳時代に入ると山麓一帯に次々と大きな古墳が築造され、
この付近を中心にして政治的勢力、すなわち倭の初期政権(王朝)が存在したと考えられています。
現在も古の人々が仰ぎ見てきた象徴的な姿のまま、クニの歩みを言葉無く語るが如く唯々鎮座しています。
参考文献
・Wikipedia「三輪山」最終更新 2020/12/20 21:19
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