語らう時の舟





私の好きなもの達を並べてみた。
静物?にしては何やら語らっている様に見えた。

玉に囲まれ手前が十五年程前青森県亀ヶ岡の農家のおじさんに頂いた縄文時代の石槍、
その左はおじさんの畑に向かう道で私の足元にいきなり現れた縄文人の装身具?土偶の一種かもしれない。
グラスに乗って一番高いところにいるのは糸魚川市姫川河口からちょっと西寄りの海辺を歩いていた時、
波に運ばれこれまた私の足先に現れた綺麗な翡翠の原石。

「日本人は昔からタマというものが好きでしてね、たまたまのタマ、魂のタマ、神の御霊のタマ、此処はたまたまの館です。
今日たまたまお集まり頂いたみなさん、せっかくのご縁です、楽しくやりましょう。」
飛鳥のW氏がご自身の営まれる愛染織館にてある日おっしゃった言葉が印象的で・・・。

「なんだい、あんた見覚えがある様な気がするね、ひょっとして・・昔北の方に居なかったかい?」

「ふっふっふっ・・・やっぱり、なつかしいですねぇ!私見てましたよ、あなたが射止めたあの大きな熊の見事だったこと!
私、あなたを使っていた人の胸にぶらさがっていたんですよ。」

「いやぁ、不思議なもんだねぇ、なんでこんなとこに居るんだいあんたも俺もさぁ、あれっ・・・上には緑のたま様まで・・ありぁりぁぁ~??」

「たまたまですよ。」



2009年10月




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